どんなに仕事ができる人でも、初めてお客さんを訪問するときは緊張するものですよね。それは私たち営業であっても同じで、その緊張をほぐすには、事前に準備するしか方法はありません。実際、お客さん訪問前までの準備作業は商談活動における重要な第1ステップで、しかも商談成立は訪問前の準備作業で9割決まるとも言われているんです。
ということは、営業にとって訪問前の準備は、とても大きな意味を持ちます。そして学生営業が、初めて新規訪問する場合だって訪問前の事前準備は同じようにとても重要なんです。受注獲得のためにもはじめての訪問でお客さんの心をつかみ、まずは2回目以降の訪問に確実につなげる必要があります。
そのためには初めての新規訪問までに営業として把握すべきこと、また事前準備として何をしておくべきなのか、をしっかりと知っておきたいですよね。
ということで、今回は学生営業が初めて新規訪問する前に知っておきたい事3選についてご紹介します。
売り込む商品について知りつくそう!
学生営業が新規訪問前までに知っておきたい事の1つ目は、売り込む商品についての深い知識です。つまり、営業は自分の商品については、どんなことを聞かれたって答えられるようにならなくてはなりません。
売り込みにあたっては、自分の商品の良い点はもちろんのこと、他社商品に対してどういった点がどれだけ優れているか含めて、先生として自信たっぷりに説明できるくらいの商品知識を持つ必要があります。
ですから学生営業として知っておきたい事はWebやカタログで把握できる商品のスペック情報はもちろんのこと、既に購入したお客さんの感想や体験にもとづいた製品メリットもアピールできれば、商品説明に厚みが加わり、説得力を高めることができます。
既に購入したお客さんの感想や体験情報は、社内に「顧客事例」などに蓄積されていますので、新規訪問前までに、商品のスペック情報と併せてしっかりと理解しておきましょう。
お客さんが何に困っているのか理解を深めよう!
学生営業が新規訪問前までに知っておきたい事の2つ目は、お客さんが抱えている課題です。
なお、新規訪問前の時点でお客さんの課題を100%理解することは無理ですが、現時点ですでに入手できている情報(アポイント取得時の電話会話におけるお客さんとの会話内容など)や、Web調査で入手できる情報(お客さんが販売する製品、業界におけるシェアやポジションなど)をもとに、可能な限りいろんな視点で考え続けてみましょう。仮説レベルで構わないので、お客さんの課題を自分なりに説明できるようにするのがベストです。
なぜならお客さんは今回の新規訪問により、商品がどういったもので、その商品を活用することによりどういったメリットが得られるかを理解したい、と期待しているからです。こういった期待に応えるためには、訪問したときにお客さんの課題をうまく聞き出したうえで、製品活用のメリットを説明してあげる必要があります。
もちろん、こちら側より提案資料(仮説)について説明すると、それに対しお客さんから「いや、そこはちょっと違うんだよね」など予想とは違った反応がある場合もあります。でも、この「仮説提案とそれに対するお客さんの反応」のやりとりを繰り返すことにより、課題をうまく引き出すことができます。つまり、仮説にもとづいた提案資料はヒアリングにおいてとても有効な資料になるんです。
この提案資料(仮説)作成のためには、繰り返しになりますが、お客さんの課題について考え続けることがとても大切で、そのような作業を続けていると、ヒアリングの進め方について事前にある程度想定できるようになるため、自信にあふれた「語り」にもつながります。
訪問マナーをおさえておこう!
売り込む商品と、お客さんの課題について理解を深めることができたのであれば、事前準備はほぼ完了です。さて、いよいよ初めての新規訪問ですね。最後にご紹介する学生営業が新規訪問前までに知っておきたい事、それは訪問マナーです。
マナーというと、なにやら堅苦しいルール(しかも罰則付き)のようなものをイメージされる方も多いかもしれませんが、マナーとはビジネスにおいて相手を大切に思う気持ちを形式化したものなんです。相手に対する思いやりの気持ちを、さまざまな価値観を持つ人たちが共通して理解できる礼儀作法です。
ここでは、学生営業として知っておきたい事として訪問マナーをいくつかご紹介します。
早めに訪問先に到着しよう!
まず、電車の遅延なども考えて、早めに訪問先に到着するようにしましょう。僕は約束時間の15分前までには到着するようにしてます。
なお、人身事故などのやむを得ない事情により遅刻となってしまう場合もありますよね。このような場合には、遅刻が避けられないと分かった時点で、どれだけ遅れそうかを含めて、早めに(約束時間の15分前までには)相手にお詫びの電話連絡を入れるようにしましょう。
なお受付には約束時間の5分前以降になったら行きましょう。10分前など、早すぎる訪問はマナー違反です。
訪問先についたら、服装や座る位置に気をつけよう!
次に訪問先に到着したら、建物に入る前にコート、マフラーやマスクを脱いでおきます。また、携帯やスマホをマナーモードに設定します。
会議室に案内された際、どの席に座るべきかすすめられていないのであれば、入り口に一番近い席(下座)に座りましょう。なお、相手より上座をすすめられた場合には断らずに座るようにしましょう。
カバンや荷物などは床に置きます。商談相手を待っている間に名刺入れや資料などをカバンより出しておきます。なお、商談相手が入室したらすぐに立つようにしましょう。
商談が終わったら、訪問した側から話を切り上げましょう。立ち上がってお礼をのべたうえで退室します。コートなどは建物を出てから着るようにしましょう。
以上、今回は学生営業が、初めて新規訪問する前に知っておきたい事3選についてご紹介しました。
1つ目は、売り込む製品についての深い知識です。学生営業として知っておきたい事はWebやカタログで把握できる商品のスペック情報だけでなく、既に購入したお客さんの感想や体験にもとづいた商品メリットも併せてキチンと理解しておきましょう。
2つ目は、お客さんの課題でしたね。現時点で既に入手できている情報やWeb調査により入手できる情報をもとに、可能な限りいろんな視点で考え続けることにより、仮説レベルで構わないので、お客さんの課題について自分なりに把握しておくことがとても大切です。
なお、自分なりに考えた課題(仮説)による提案資料を作成しておくと、お客さんからのヒアリングに活用できることもご紹介しました。
学生営業として知っておきたい事の3つ目は訪問マナーです。マナーはビジネスにおいて相手を大切に思う気持ちを形式化したものです。今回は訪問マナーとして、早めに訪問先に到着する、訪問先に到着したら建物に入る前にコートなどを脱いでおく、受付には約束時間の5分前以降に行く、会議室に案内されたら入り口に一番近い席に座る、訪問した側から話しを切り上げる、などについてご紹介しました。
特に2つ目の「仮説レベルで構わないのでお客さんの課題について把握する」については、ぜひ時間をかけてじっくり取り組みましょう。たとえ仮説が間違っていたとしても構わないんです。
というのは、あなたが真面目に取り組んだのであれば、その姿勢はあなたの「語り」から必ず相手に伝わるからで、「この営業であれば何かいいことあるかも」と思わせることができれば、初めての新規訪問としては大成功です。
初めての新規訪問であれば、ホント不安な気持ちでいっぱいですよね。今回ご紹介した学生営業として知っておきたい事3選について理解を深めて充分な事前準備ができていれば、何も恐れる必要はありません。自信を持って新規訪問に臨みましょう!